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ゴムの豆知識

各種ゴムの性能比較表

天然
ゴム
イソプレンゴム ブタジエンゴム スチレンブタジェンゴム ニトリルゴム ブチルゴム エチレンプロピレンゴム クロロプレンゴム ハイパロン 弗素
ゴム
アクリルゴム ウレタンゴム シリコンゴム エピクロロヒドリンゴム
NR IR BR SBR NBR IIR EPR CR CSM FPM ACM U Si CHR
CHC
実用硬度範囲HS 20〜  100 20〜  100 30〜  100 30〜  100 30〜  100 20〜  80 30〜  90 30〜  90 50〜  90 60〜  90 40〜  80 50〜  100 30〜  90 30〜  100
引張強さ kg/cm2 30〜  300 30〜  200 30〜  200 30〜  200 30〜  200 30〜  150 30〜  200 30〜  250 30〜  200 70〜  150 30〜  120 150〜  450 30〜  80 50〜  190
反発弾性
耐磨耗性
耐候性
耐オゾン性
耐熱性
   瞬間使用温度℃ 
120 120 120 120 130 150 150 130 150 260 190 80 280 150
耐熱性
   連続使用温度℃ 
70 70 70 70 90 110 110 100 110 200 150 70 200 110
耐寒性
   最低使用温度℃
-40 -40 -40 -40 -20 -40 -40 -20 -20 -20 -10 -20 -80 -40
電気絶縁性
ガス不透過性 × × ×
耐水性
耐油、ガソリン性 × × × × × ×
耐動植物油性
耐溶剤性
   脂肪族系
× × × × × ×
耐溶剤性
   芳香族系
× × × × × × × × × × ×
耐溶剤性
   ケントン及びエステル
× × × × × × ×
耐酸性
   弱  酸
耐酸性
   強  酸
×
耐アルカリ性 ×
( ◎優  ○良  △可  ×不可 )

1.天然ゴム(NR)

 構造的には、ポリイソプレンで、主に東南アジアで栽培されているヘビアブラジリエンシスというゴム樹か ら出る樹液(ラテックス)からつくられます。ラテックスをそのまま原料として、フォームラバー、手袋、接着剤などが製造されますが、通常ラテックス中のゴム分を凝固させたものが生ゴムとして使用されます。
 NRは加工性が良好で、引張強さ、弾性、耐磨耗性、耐寒性に優れ、動的発熱が小さいなどの特長があり、 多くの用途に向けられますが、耐熱性、耐油性、耐候、耐オゾン性に乏しい欠点があります。
 一般工業用製品の他、特に耐磨耗性や高い強度を必要とする製品、防振ゴム、大型タイヤなどに用いられま す。

2.SBR(スチレン・ブタジェンゴム)

 スチレンとブタジェンの共重合物で、NRに類似した性質をもつ一般用合成ゴムで、カーボンブラックのよ うな補強剤を加えないと十分な強度が得られません。  NRに較べ弾性が低く、動的発熱が大きいが、一般工業用ゴム製品、その他に広く用いられます。

3.IR(ポリイソプレンゴム)

 イソプレン重合物で、NRと同じ構造をもつ合成ゴムであります。NRに比べ引裂抵抗、加工性がやや低い 他はNRと類似した性質をもっております。特に、吸水性、臭気が少ない特長があり、一般工業用ゴム製品、 その他電気絶縁用、食品用に使用されます。

4.BR(ポリブタジェンゴム)

 ブタジェン重合物で、通常ステレオゴムとも呼ばれている合成ゴムで、非常に高い反発弾性、優れた低温性、 小さい内部発熱などの特長があり、一般工業用ゴム製品、防振ゴム、ソリッドタイヤ等に用いられます。  BRは加工性その他により、単独で使用されることは少なく、主にNR,SBRなどにブレンドして用いられます。

5.NBR(ニトリルゴム)

 アクリロニトリルとブタジェンの共重合物で、耐油性を特長とするゴムであります。アクリロニトリル量が 15〜45の範囲で、低・中・高ニトリル量のゴムがあり、ニトリル量の高いもの程耐油性はよくなり、弾性や 耐寒性がわるくなります。  脂肪族の炭化水素に対しては良好な抵抗性をもっていますが、ベンゼン、トルエンのような芳香族系溶剤や ケトン類、エステル類には抵抗性はありません。また、反発弾性や耐オゾン性に乏しい欠点があります。主として耐油性を必要とする工業用ゴム製品に用いられます。

6.CR(クロロプレンゴム)

 ネオプレンという名称でよく知られている合成ゴムで、クロロプレン重合物であります。中程度の耐油性、 耐熱性があり、耐候、耐オゾン性が良好で、一般物理的性質もよいので、耐油、耐候性を必要とする一般工業用ゴム製品に広く用いられます。

7.IIR(ブチルゴム)

 イソブチレンと少量のイソプレンの共重合物で、通常ブチルゴムと呼ばれている合成ゴムで、耐候、耐オゾ ン性、耐化学薬品性、耐熱性、電気絶縁性が優れ、ガス透過性が少ない特性を持っているので、主として、 インナーチューブ、電気絶縁用、耐化学薬品用、耐熱用に用いられます。また、反発弾性が低く、衝撃に対するエネルギーの吸収が大きいので種々の衝撃緩衝材に用いられます。

8.ハイパロン(CSM)

 ポリエチレンをクロルスルフオン化したゴムで優れた耐候、耐オゾン性、耐化学薬品性と、良好な耐熱性、 耐油性、電気絶縁性をもっているので各種の工業用ゴム製品に用いられます。  特に黒色以外の着色ゴムでも、耐候、耐オゾン性、耐変色性が優れています。

9.シリコンゴム(Si)

 シリコンゴムは、シロキサン結合を骨格とするゴムで、主に耐熱用に用いられます。この他耐寒性、耐オゾ ン性、電気絶縁性が極めて優秀であるが、物理的強度が低い欠点があります。  ジメチルシリコンゴムは、蒸気に対する抵抗性は弱いが、メチルビニルシリコンゴムは高圧蒸気にも耐えるので、耐熱用ゴム製品に広く用いられます。耐用温度範囲は-60〜+200℃であります。

10.ウレタンゴム(U)

 ポリオール(ポリエステル、ポリエーテル)とイソシャネートを反応させて作られるゴムで、液状のものと、 固形のものがあります。液状のものは、注型(キャスティング)により、固形のものは他のゴムと同様にして成型されます。  ウレタンゴムは他のゴムに比べて強度が大きく、耐磨耗性、耐油性、耐オゾン性が優れていますが、耐熱性 に乏しく、また、酸、アルカリ、熱水、水蒸気などの加水分解作用に弱い欠点があります。 用途としては、低速運搬用タイヤ、その他耐磨耗性、耐油性、耐オゾン性を必要とする工業用ゴム製品に用い られます。

11.エチレンプロピレンゴム(EPR、EPT、EPM、EPDM)

 エチレンとプロピレンまたはエチレンとプロピレンと第3成分の共重合物であり、前者をEPM、後者をEPT またはEPDMと呼びます。この両者を称してEPRといいます。  このゴムは耐オゾン性、耐化学薬品性、耐熱性、電気絶縁性が優れているので、一般工業用ゴム製品および電気絶縁用に用いられます。  加硫速度がおそいのと、耐油性に乏しい欠点があります。

12.弗素ゴム(EPM)

 弗素ビニリデンと6弗素化プロピレンの共重合物で、バイトンという商品名でよく知られており、耐熱、耐油、耐溶剤、耐化学薬品性の優れたゴムであります。  使用可能温度範囲は、−30〜+200℃で、特に高温での耐油、耐薬品性は優れています。濃硫酸、硝酸のような酸化性強酸にもよく耐え、脂肪族、芳香族剤、航空機の油圧作動油にも抵抗性をもっています。  しかし、ケトン類、無水アンモニア、濃苛性ソーダ、高圧蒸気に弱いことと、高価であるという欠点があり ます。主として高温耐油性、耐化学薬品性、耐溶剤を必要とする工業用ゴム製品に用いられます。

13.アクリルゴム(ACM)

 アクリル酸エステルとアクリロニトリルの共重合物で、特に高温における耐油性に優れ、耐老化性、耐オゾ ン性も良好であります。また添加剤を含む油にも耐えるので、高温耐油用のパッキン、その他に用いられます。 使用温度範囲は、−30〜+170℃であります。  このゴムは耐水性がなく、強アルカリや強酸にも抵抗性がありません。

14.エピクロロヒドリンゴム(CHR、CHC)

 このゴムにはホモポリマー(CHR)とコポリマー(CHC)があり、耐油、耐候、耐熱、耐寒、耐ガス透過性に優れた性質があります。用途には耐寒性ガソリンホース、ガソリンポンプ、オイルシール、パッキン等に使用されます。